歯と金属アレルギー

春日部市豊春駅前の歯医者、チャーミー歯科春日部でございます。

 

東北大学と札幌医科大学の研究グループは、歯科治療に用いられるパラジウム(保険適用の銀歯などに使われています)による金属アレルギー誘導機構を明らかにしました。

金銀パラジウム合金は銀歯の治療など歯科治療で広く用いられている一方で、パラジウムが金属アレルギーを引き起こす一因となることが問題になっています。

酸性の食物や口内に残った食べ物の分解、口腔細菌の代謝産物によって溶け出したパラジウムが、抗原提示に何らかの影響を与え、T細胞を活性化させると金属アレルギーを発症すると考えられているものの、金属によるT細胞活性化のしくみは不明でした。

本研究にて抗原ペプチド置換により発現したアレルギー抗原は、T細胞の活性化を誘導し、パラジウムアレルギーの発症につながるとみられることが判明。

この研究から歯科治療領域の新しい金属アレルギーの予防や改善策が見出せることが期待されます。
/ 大学ジャーナル2022.1.7より

論文情報:【Frontiers in Immunology】Palladium-induced temporal internalization of MHC Class I contributes to T cell-mediated antigenicity  )

 

銀歯に使用されているパラジウム合金は比較的安定している金属なはずなのに、なぜ金属アレルギーが起こるのか根本的な理由は分かっていませんでした。

とはいえ、パラジウムは人体にアレルギー反応を起こしやすい金属ではあり、半数近くの人がなんらかの金属アレルギーを起こすとされています。

入れてすぐに自覚症状がなくとも、長年口腔内に入れておくことで蓄積されて数年後金属アレルギーを発症することも。

しかも金属アレルギーの症状は様々で、めまいや皮膚のピリピリ感、酷いと掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などを発症したり、発がんの原因となったり…なんと100以上の症例報告があるのです。

銀歯をセラミックに変えることで症状が改善した症例も多くあります。

もし体の不調があるのに原因がわからない、という方がいたら、もしかしたら原因はお口の中かもしれません。

金属アレルギー、歯の磨耗や割れるリスク、二次カリエス予防にもなるため、当院ではセラミックをおすすめしています。(もちろん強制ではありません)