詰め物が頻繁に取れる原因とその対策

こんにちは。春日部市豊春駅前の、チャーミー歯科春日部です。

食事中、ガリっと堅い物を噛んだと思ったら、歯の詰め物がはずれていた…。

こんな経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

歯の詰め物が取れてしまう原因はさまざま。その多くは、経年による材料の劣化によるものがほとんどですが、中には数カ月~半年ぐらいで頻繁に外れてしまう…。という方もいらっしゃいます。

そこで本日は、患者さまからのご相談も多い「詰め物が外れてしまう」原因と、その対策ついてご紹介したいと思います。

 

詰め物が外れてしまう原因とその対策

 

原因1、 材料(主に、歯科用セメント)の劣化

被せ物や詰め物を歯と接着するために使われているセメントには、実は寿命があります。

その材料やお口の中の状態にもよりますが、一般的に保険で使用される歯科用セメントの場合、少しずつではありますが唾液によって溶かされてしまうという性質を持っているため、10年も使っているとセメントが溶けてしまい、接着力が弱まってしまいます。

この場合、単純にセメントの劣化による詰め物の脱離であれば、新しいセメントで取れた詰め物を付け治せば特に治療は必要ありません。

ですが、10年もたっていないのに詰め物が外れてしまうという事であれば他の原因も考えられますので、まずは一度歯科医師に相談してみることをおススメいたします。

必要な処置・治療
詰め物の詰め直し。
※取れた詰め物をそのままご持参ください。状態が良ければそのまま接着をすることができます。          

 

 

原因2、 詰め物の下が虫歯になっている

詰め物の精度が良くなかったことや、材料の劣化により歯と詰め物やかぶせ物の間に隙間が生じてしまうと、その隙間が生じたところから虫歯菌が入り込み、詰め物やかぶせ物の下で虫歯が繁殖してしまいます。

原因1、で挙げたセメントの劣化のケースにおいても、詰め物の下が虫歯になっていないというケースは実は稀で、大抵の場合は中が虫歯になってしまっています。

その場合は、虫歯になった部分をさらに削って新しい詰め物やかぶせ物をする必要があるのですが、虫歯の大きさによっては神経をとる処置をしなくてはいけなくなってしまうケースもあります。

詰め物やかぶせ物の精度を上げるには、しっかりとした技術と実績のある歯科医師を選ぶこと。また、保険適用の材料ではどうしても治療の精度に限界が出ていしまうため、セラミックや、奥歯であれば金などの精度や適合性に優れた材料を選択することがポイントとなります。

自費治療、というと高いと思ってしまいがちかもしれませんが、小さな詰め物(インレー)であれば、3~5万円で程度でセラミックにすることもできます。

ご自身の歯の価値を考えると、決して高いとは言えないのではないでしょうか。

必要な処置・治療
虫歯の治療
詰め物・かぶせ物のやり直し
※精度の高い治療を受けることで再発リスクを抑えることができます。             

 

 

原因3、経年によって噛み合わせが変化した

詰め物を入れた当初はピッタリとはまっていた詰め物でも、経年と共に高く感じるようになったり、段差があるように感じるようになることもあります。

これは主に、経年により噛み合わせに変化が生じたため、「以前の噛み合わせ」に合わせて作られたつめものやかぶせ物が、「現在の噛み合わせ」に合わなくなってしまったことで起こる症状です。

噛み合わせに変化が生じると歯全体にかかる力のバランスもアンバランスになってしまい、ある1点の場所に集中して力が加わってしまったりもします。これにより、詰め物が外れるといった症状につながる場合もあります。

この場合は、現在の噛み合わせに合った詰め物やかぶせ物に変えてもらうことで、詰め物が頻繁に外れるといった症状も収まります。

また、もともと噛み合わせが悪い場合や、噛み合わせを考慮せずに詰め物・かぶせ物を作成してしまった場合も同じような事が起こります。

もともとの噛み合わせが悪い場合は、詰め物の脱離のみではなく、全身的な骨格のバランスが崩れていたり、お顔に歪みが生じていたり、頭痛や肩こり、倦怠感といった症状を引き起こしている場合もありますので、自覚症状のある方は一度歯科医院で噛み合わせのチェックをしてもらうとよいでしょう。

必要な処置・治療
詰め物・かぶせ物のやり直し
※場合によっては、噛み合わせ治療・矯正治療が推奨される場合もあります。             

 

 

原因4、 食いしばり、歯ぎしりなどのクセがある

睡眠中、歯をギリギリとすり合わせる歯ぎしりや、日常的に無意識のうちに歯を食いしばる癖のある方は、普段から過剰に歯に負担がかかっている状態にあります。

特に睡眠中の歯ぎしりは人によっては100キロ以上の力が加わりますので、歯へのダメージも相当なものになります。 そして、このような過剰な力が継続して長期的に加わると、当然ながら詰め物やかぶせ物も外れやすくなってしまいます。

どこの歯医者で治療して貰っても、いつもすぐに詰め物が外れてしまう…。という方は、食いしばりや歯ぎしりのクセがないか確認してみましょう。

食いしばりや歯ぎしりはほとんどが無意識のうちに行われている習癖ですので、なかなかご自身では気が付きにくいかもしれませんが、下記の様な症状がある場合は歯ぎしり、食いしばりの習癖を疑ってみても良いでしょう。

・歯がしみる。知覚過敏になっている。
・物を噛むと顎が痛い。
・歯のすり減りが激しい
・歯が欠けたり、割れたりしたことがある。
・寝起きが悪く、朝起きたときに顎がだるい

必要な処置・治療
詰め物の詰め直し。
(歯ぎしりの場合)ナイトガード(歯ぎしり用マウスピース)・ボトックス治療
(食いしばりの場合)行動療法・ボトックス治療             

 

 

食いしばり、歯ぎしりには、ボトックス治療が効果的

治療して貰ったばかりの詰め物が頻繁に外れてしまうというケースは、歯ぎしりや食いしばりによって歯に過度な力が加わってしまっていることが主な原因と言えるでしょう。

今までの歯科医療では、食いしばりや歯ぎしりの治療法としてはナイトガードによる歯の保護や心理学による認知行動治療が主な治療法として定着していましたが、「嘔吐反射が強くてマウスピースが使えない」場合や、患者さまの精神状態などから「患者側の努力・協力が得られにくい」場合などは、それ以上打つ手がないような状態でした。

しかし、最近では医療分野でも使用されている「ボトックス治療」が歯科における歯ぎしり・食いしばりの治療に有効であるとして注目され始めています。

具体的には、歯ぎしりや食いしばりの癖のある方は、咬筋(ものを噛むときに使う筋肉)が過度に緊張してしまっているため、その部分にボツリヌス菌を注入することで筋肉の緊張をほぐし、無意識のうちに過度に力んでしまうことを防ぐという方法です。

ボトックス治療には副作用もなく、マウスピースができない方や認知行動療法が難しい方でも効果を出すことができるため、今まで他の治療法をやってみたけれどもダメだったという方は是非試してみてはいかがでしょうか?