【書籍・連載】補綴臨床(2021年7月号)亀井勝行・野本恵子 ※共著
理事長・歯科医師の亀井勝行と歯科医師の野本恵子共著での連載のご案内です。
補綴臨床 2021年7月号
連載 第1回
補綴・審美修復に活かす
歯科ボツリヌス療法
基礎知識の整理と臨床応用の実際
連載にあたって ~
ボツリヌス療法とは1980年代より行われており確立された治療法である。
現在に我が国において医科では健康保険の適応の疾患が複数ある。世間一般的には米国アラガン社の商品名である「ボットクス」とよばれ、美容においてしわ消しや小顔のために用いると認知されているようである。
筆者は ボツリヌス療法を約10年前より、歯科の分野で応用しており、多くの患者さんに支持されている。最近 ボツリヌス療法は一般歯科でも行われるようになってきているが、まだまだ 歯科医師でも美容目的との誤解も多いようである。今回 6回にわたり歯科ボツリヌス療法として、 歯科治療として安全に正しい知識を普及させたいと 思う次第である。
歯科医師ならだれしも自分自身の入れた補綴物が永続的に口腔内で機能する事を望む。しかし、ある程度経験を重ねた、歯科医師なら、いくら咬合、顎位、審美にこだわっても、異常な咬合力が原因と思われる、補綴部の破損や歯根破折、歯周病による抜歯、外傷性咬合による部分的な骨吸収と予想を覆す思いを経験する。そこで、この歯科ボツリヌス療法が広く普及し、歯周治療、補綴治療に功を奏することを所願する次第である。